man400's diary

本、映画の感想など

【本】「極北」 人類の終末を前にした人類の小説

人類絶滅間近の世界。水道電気ガスインターネット100当番なし。

 

極北

極北

 

 

文明は落ちぶれ、卑しさと狡さと死への絶えざる恐れと、仲間を持たない臆病な顔ばかり。そんな無法の大地を女性が独り旅する。

ロシアの田舎でどうにか生き残った彼女は、それでも自殺しようとして、でも失敗し湖から這い出たところで、目の前に墜落した飛行機から生きる勇気を得て村を旅立つ。科学と文明の残る土地、そこに生きる人々の間で生きたいと切望して。

 

全編人の本性について悲観的。主人公は自分の面倒は全て自分でみる。

衣食住すべてやる。他の人物は奴隷か原始人のような暮らしだ。

経済は自足時給であればあるほど貧しい。貿易や交流が不活発な世界に欠けているのは人が持つ不信や恐れ、自由と安全を保障する安定した社会秩序だろうか。

それとも平和なこの時代は、たまたま雲の切れ間からから私たちを暖める陽が差す恵まれた瞬間に生きているだけなのだろうか。